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健診結果について



矢印の図北九州市門司区医師会健診センターでは、業務の一環として事業所健診を実施しています。

 今回、平成20年度より5年計画で開始されている「特定健診・特定保健指導」を機会に事業所における健康意識や生活習慣の改善の実施が数字として表れているかを調査しました。
 データは、健診時の問診票となり、内容は厚生労働省の定めるものと同一です。

● 表1は調査の対象となる門司区内の事業所であり、毎年、継続的に実施しています。

事業所健診対象者数(表1)
年 度 平成20年 平成21年 平成22年
年令/性別 男性 女性 男性 女性 男性 女性
10歳代 29 1.0% 34 1.7% 34 1.1% 35 1.4% 24 0.8% 33 1.3%
20歳代 355 12.8% 535 26.2% 444 14.1% 615 24.5% 416 13.8% 574 22.4%
30歳代 648 23.3% 422 20.6% 706 22.4% 479 19.1% 656 21.8% 494 19.3%
40歳代 490 17.6% 424 20.7% 560 17.8% 525 20.0% 539 17.9% 557 21.8%
50歳代 670 24.1% 396 19.4% 724 23.0% 504 20.1% 686 22.8% 522 20.4%
60歳代 466 16.8% 180 8.8% 543 17.2% 265 10.6% 571 19.0% 290 11.3%
70歳代 112 4.0% 26 1.3% 116 3.7% 40 1.6% 97 3.2% 41 1.6%
80歳以上 11 0.4% 28 1.4% 24 0.8% 46 1.8% 23 0.8% 48 1.9%
合 計 2,781 100% 2,045 100% 3,151 100% 2,509 100% 3,012 100% 2,559 100%

 男女混合平均年齢は、53.4歳ですが、全体としては男性50歳代、女性では20歳代が多く占めている状態でした。

● グラフ1は規定の条件に合わせて階層化したものを特定健診及び事業所健診で表したものです。

特定健診及び事業所健診の階層化(グラフ1)

 対象者の違いとして、特定健診では40歳〜75歳に対し、事業所健診は10歳代〜80歳代であるため、対比できるかは難しいものですが、事業所における動機づけ支援、積極的支援の割合を見ることができます。事業所の積極的支援では全体の8.1%を占めています。これに対し、特定健診では3.5%であり、特に平成21年に比べ22年では明らかに改善傾向がみられますが、事業所健診では、ほとんど数値に変化が見られず、健康管理の必要性を表した結果でした。

● グラフ2では、事業所健診の動機づけ支援、積極的支援を年齢別にみたものです。

平成22年 階層化年齢別(グラフ2)


 このグラフから動機づけ支援は男女とも40歳未満の若年層の割合が多く、青色の30歳代、オレンジ色の20歳代の数値が目立ちます。これに対し積極的支援では、ほぼ100%近くが40歳以上です。階層化の判定基準は肥満とリスク数で決まりますので、あらためて年齢層の特色を感じるものでした。

● グラフ3では、事業所健診の内服薬を使用している割合を年度別に表したものです。

事業所健診年度別内服中状況(グラフ3)


 各年度とも高血圧症内服治療中が上位を占め、糖尿病、脂質異常症は大きな変化はなく、横ばい状態です。このことから高血圧症の罹患率及び認識度の高さが考えられる結果でした。

● グラフ4は平成22年度の高血圧症、糖尿病、脂質異常症の内服薬を服用している状況を表したものです。

平成22年 年齢別内服中状況(グラフ4)


 数値では全体的に男女とも、50歳代、60歳代が目立ちます。特に60歳代では、男性は糖尿病で47.1%、女性では脂質異常症で44.7%とほぼ半数を占めています。 特に女性の脂質異常症は男性に比べ50歳代の服用が多く女性の特徴が見られます。

● グラフ5は、問診を男女別にまとめたものです。

平成22年 門司区内事業所健診受診者問診表 (グラフ5)


 昨今、メタボリックシンドロームの意義が定着しているものと思われる中、健康に対してのセルフケアがどのようになされているか、問診表の結果から痛感させられるものです。男女別に項目ごとに割り出したものですが、ほとんどの項目で男性の数値(青色)が女性の数値(ピンク色)を超えています。特に、飲酒、喫煙以外では、「朝食をとらない」、「就寝2時間前の夕食摂取」、「20歳以降の体重増加がある」の数値が高いことから、性別の違いや、生活習慣病の認知度の低さが感じられます。
  
● グラフ6は、当健診センターが実施した事業所健診を集計したものです。

平成20年〜22年度 事業所健診有所見率平均表 (グラフ6)


 棒グラフは平成20年から、平成22年の3年間における事業所健診の、有所見平均値を表したものです。事業所健診の年度ごとの推移は平成20年度に比べ平成22年度の数値の変化をみると、血圧、貧血、肥満が、わずかに改善されている状況ですが、逆に血中脂質、血糖、尿検査は平成20年度に比べ有所見は上昇傾向にあります。又、平成22年度の平均有所見者率は全国平均では52.4%に対し事業所との差は大きく、70%台となりました。生活習慣病の要因といわれている血圧、血中脂質、肝機能、肥満などが高値であることから、今後も受診者個人個人が、健康管理に努めることが重要であると考えられます。

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